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いまここノート

いまここの記憶

育休アンケート(前篇:休職~復職前の気持ち)のご報告

2013年春にご協力いただきました「育休アンケート」。

→《育休アンケート【2014ver.】》はこちら(2014.3.7)

http://careertantei.hatenablog.com/entry/2014/03/08/011458


フィードバックをご希望くださった方々には個別にご報告いたしましたが、広くご協力いただきましたこともあり、ブログでも簡単にご報告したいと思います。

 

■調査概要

○調査の目的:

育児休職取得者の、休職前・休職中・復職前における、仕事や組織に関する気持ちについてのアンケート

○対象:

一ヶ月以上の育児のための休業および休暇(有給休暇などを利用したいわゆる隠れ育休も含む)を取得した男女

○時期:

2013年3月~4月

○調査方法:

インターネット上のアンケートに人づて、あるいはtwitterを経由して依頼

○有効回答数:

226名(女性195名、男性31名 / 育休回数1回138名、2回以上88名)

 

まずは、回答者のみなさんの育休取得の環境はどのようなものだったのかをご紹介します。

■制度利用のしやすさ

制度利用が奨励・当然視されていた(女性79.0%、男性29%)
制度利用を歓迎されない雰囲気があった(女性8.7%、男性35.5%)
制度利用には交渉が必要で困難さを感じた(女性4.6%、男性16.1%)
いずれでもない(女性7.7%、男性19.4%)

女性の8割は制度利用が奨励・当然視された環境の中で育休を取得できたようです。

一方、すんなりと育休をとることができた男性は回答者の3割。

7割の男性は歓迎されない雰囲気を突破したり、交渉によって休暇を獲得していました。

■育児休職からの復職事例の有無

身近に、比較的多くの事例があった(女性51.8%、男性22.6%)
身近ではないが、事例があった(女性29.2%、男性16.1%)
ほとんど例がなく、開拓者の気持ちだった(女性17.4%、男性58.1%)
いずれでもない(女性1.5%、男性3.2%)

周囲に事例がなく開拓者のような気持ちで育休に臨んだ方が、女性回答者の2割弱、男性回答者の6割弱いらっしゃいました。

 

つぎに、休職前、休職中、復職前、それぞれにおける気持ちについて、回答の平均点の上位3項目ずつを男女別にご紹介します。

※まったくあてはまらない~とてもあてはまる の6段階選択肢。肯定的な回答と否定的な回答の度合いが同じだった場合の平均点は3.5点

 

■休職するにあたっての気持ち

【女性回答者(195名)のポイント上位3項目】

1位:会社からの評価は、今後ある程度あきらめることになるだろう(平均4.3) 
2位:自分は出産・育児を無事にこなせるだろうか(平均4.0) 
3位:仕事で得てきたやりがいや手ごたえは、今後ある程度あきらめることになるだろう(平均3.9) 

【男性回答者(31名)のポイント上位3項目】

1位:自分は出産・育児を無事にこなせるだろうか(平均3.4 )
2位:収入が減ることにより家計が不安定になることが不安だ(平均3.4) 
3位:会社からの評価は、今後ある程度あきらめることになるだろう(平均2.9)

女性回答者のポイントが全般的に高く、不安の大きさ、多さが読み取れます。

出産・育児の不安に加え、これまでの仕事人生で築いた評価ややりがいをあきらめることになるだろうという見通し、喪失感をもちながら休職に入る様子が伺えます。

男性回答者の一番の心配は「出産・育児を無事にこなせるだろうか」のようです。当事者意識の表れなのかもしれませんね。

 

■休職中の気持ち。育休はどのような経験だったか

【女性回答者(195名)のポイント上位3項目】

1位:子どもとの信頼関係や絆を育むことができた(平均5.0)
2位:よりよい働き方について考えるようになった(平均5.0)
3位:よりよい社会のあり方について考えるようになった(平均4.9)

【男性回答者(31名)のポイント上位3項目】

1位:よりよい社会のあり方について考えるようになった(平均5.1)
2位:よりよい働き方について考えるようになった(平均5.1)
3位:子どもとの信頼関係や絆を育むことができた(平均5.0)

男女とも上位の項目の顔ぶれ、ポイントの高さともに同様でした。

子供との信頼関係や絆を育むことができたとの満足感が伺えます。

また、よりよい働き方や社会のあり方を考えるようになったとの回答のポイントの高さが印象的です。休職中も、「社会人」としての意識はむしろ高まる時間を過ごしているといえそうです。

 

■復職前の気持ち

【女性回答者(195名)のポイント上位3項目】

1位:仕事と育児のバランスを良好に保てるだろうか(平均4.9) 
2位:仕事で思うような活躍や成果を果たせるだろうか(平均4.7) 
3位:上司や同僚は自分のことを受け入れてくれるだろうか(平均4.5) 

【男性回答者(31名)のポイント上位3項目】

1位:仕事と育児のバランスを良好に保てるだろうか(平均4.3) 
2位:子どもとばかり過ごす時間が減るのが惜しい(平均4.2)
3位:子どものかわいい時期や成長の瞬間を見逃してしまうのではないか(平均3.9)

 ⇒

 男女いずれも「仕事と育児のバランスを良好に保てるだろうか」、言い換えれば良好なワークライフバランスを実現したいという思いが1位ですが、

女性は職場で以前のように活躍できるかどうかを、

男性は子どもとの密なかかわりがもてるかどうかを、

それぞれ不安に思っている様子を見て取ることができます。

 

アンケート結果についてのご紹介は以上です。

ご協力くださった226名のみなさま、本当にありがとうございました。より詳しい内容は研究論文としてまとめて参りたいと思います。

 

以下は個人的な思い入れを含めた感想です。

 

休職したり離職したりして育児をしている時間は、履歴書から見たら「空白(ブランク)」かもしれません。

ですが、「社会人」であることを辞めたわけではなくて、むしろ社会に広く深く触れて成長する時間にもなりうると考えています。今回のアンケートはそのような仮説を前向きに支持してくれそうなものでした。

個人も企業も、この成長の機会を思い切って体験し、じょうずに活用してほしい。そんな風に感じます。

 

また育休を終えたときに、女性は仕事での活躍を、男性は子どもとの時間を、あきらめなければならないのか?という声をとてもかなしく感じました。

仕事で活躍する機会と、子育てを含めた生活を主体的に営む機会、その両方をだれもが自然に選択できる社会を我々自身がデザインしていきたいものです。

 

今回のアンケートは研究のほんの入り口です。お預かりしたデータでいい研究ができるようにがんばります。ありがとうございました。


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《育休アンケート【2014ver.】》へのご協力のお願い(2014.3.7)

http://careertantei.hatenablog.com/entry/2014/03/08/011458