いまここノート

いまここの記憶

育休は人生のなつやすみ。では育休後の復職は?

@kobeni さんの日記を読んで、自分の過去2回の復職のことを思い出していました。

いま、育休・復職についての研究をしていますが、もとはと言えば自分が経験したときのちいさな問題意識と、それよりはもう少しおおきいくらいの希望を、目に見えるように確かめてみたいという思いから出発したものです。

 

わたしは「育休は人生のなつやすみ」だと思って過ごしてきました。

2回とも、それぞれになつやすみでした。

そんなに余裕があったなんてすごいですね?なんて言われたりしましたが、うーん、余裕があったわけじゃないんですけど、ぽっかりあいた何かだったことをそう感じたんですね。

何かに許されてはいた。でも何かに見放されてもいた。そんな時間でした。

 

一度目は、大きな喪失感、二度目は静かな挫折感とともに休職に入りました。

一度目は、もう戻らないかもしれないと思った。

でも二度目は、何かを持ち帰りたいと思いました。

 

一度目の休職時は、赤ちゃんを無事にお腹に入れていられた幸運に感謝するしかないようなハードワークののちだったので、そんな自分を恨んで、後悔しながら仕事を離れました。だから休み中、仕事のことは一切考えませんでした。

 

一度目の復職後は、どんな風に働いてどのくらいのことを為し得たら自分を許せるのか?それがわからないままで、ほんとに苦しかった。

でも職場も上司も温かくて。保育園の先生たちも。長女ちゃんも。

しかも幸運に恵まれて憧れの部署に異動した直後、新しい上司に半年後の産休予定を告げるというタイミング。何かをつかもうとすることはやめようと改めて思いました。でもやっぱり仕事は好きという気持ちだけを抱えて、明るい気持ちで、流れるままに。

 

二度目の休職中は、意識が外に向いていました。会社を出て、自分が居る世界のことをもっと知りたいと思いました。ブログやツイッターも始めて、外の人に会いにいきました。

 

二度目の復職後、休職中の出会いにすごく支えられました。専業ママばかりと付き合っていた一度目の休職とはちがって、二度目には価値観を共有できる仲間がいた。

一方でだからこそ、戻った世界で、自分が傷ついている事実に蓋をできなかった。仲間ができて、理解しあえる人ができて、弱くなったと思いました。

でもその弱さを受け入れることで、もう一度強くなれた。自分のままで居ようと。

 

思えば、長女を産んで最初の育休で思ったことは「ママになっても意外と、自分のままだった」でした。

でもその後、じわじわと解放された新しい自分がいて、成長があって、二度目の復職で初めて「しごとをするときも、自分のままでいよう」と思えた。

 

2度目の復職後での異動先では、家庭役割に理解はありながらも成果をあげることにとても厳しい上司でした。でもあの時期、成果責任や役割を果たすことに本気で向き合ったことで、いい仕事をすることが大きな癒しになることを知りました。

 

ただ思い出した、というだけで何が言いたいわけでもなくて、すみません。

でも改めて、育休・育児期間はブランク(空白)ではないんだなと。

「空白のキャンバス」に思い切り絵を描いた。それがわたしの育休=なつやすみでした。

復職は、その絵の続きの物語です。

 

ひとつメッセージがあるとしたら。

この春、そしてこれから、復職したり仕事を再開するすべての人たちに、みなさんの存在はすごく輝いているということを伝えたいです。すべての人からではないにせよ、許されて祝福されています。そのことを信じてほしいと思います。

そして、会社や仕事の役割におさまらない広い世界で、他の誰とも違う自分の人生に正直に生きようとするすべての人たちに。一緒に頑張りましょうと伝えたいです。