積ん読解消月間(27)『ポストモラトリアム時代の若者たち』
- 作者: 村澤和多里,山尾貴則,村澤真保呂
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2012/10/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 32回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
ひきこもりからの就労支援をされている著者たちの、社会学・心理学・哲学の学際的視点からのモラトリアム論。
エリクソンの古典的モラトリアムと現代の若者が過ごしている時間の違いなどが整理されて有益でした。
社会が期待する役割と自分自身のふるまいをどう折り合わせるか。
社会に参加したいと思うからこそ、規範を取り込んでしまうからこそのアイデンティティ拡散の危機。
活動する目的を探索することが厳しく許されない現代社会で、そんな危機の乗り越えがうまくいかずに「スティグマ化」「トラウマ化」した自己を抱えてしまう若者たち。
癒やしと自立への取り組みを紹介しつつ、おかしいのは社会の方じゃないの?と投げかけています。