積ん読解消月間(37)『Quiet~内向型人間の時代』
- 作者: スーザン・ケイン,古草秀子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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時代かどうかは別として、自分は内向型かな?という人は読んでみるといいと思いました。
自分は外向的かな?という人は、自分の中の内向性を解放するためにぜひ。
アメリカという外向型人材優位の社会ではなく「沈黙は金」の日本で読んでも十分癒しと気づきがあります。
■刺激への反応性のちがい
内向/外向にはさまざまな定義があるなか、刺激への高反応性/低反応性という脳機能や身体的反応で測定できる定義にもとづく研究を多く取り上げているところがポイントかなと。
音や臭いや光のちょっとした刺激に大げさに泣きわめく赤ちゃんは、将来内向的に育つか外向的になりやすいか?
…答えは内向的だそうです。
内向型は刺激の受信や反応が強いから、心地よい反応レベルに保つために低刺激な生活を好む。というのはなんというか、発想の転換でした。
いっそ脳のせいだと思うと、個人差を受け入れやすく感じる部分があるなぁと。
もちろんそれだけで性格は決まらないのですが、刺激への敏感さは赤ちゃんの頃から大人になっても変わりにくいのだそうです。
なんであれ次の展開に進むには、自分を受け入れる、というところからなんですね。
■集団行動よりも孤独が生産的であるとき
集団への同調や集団浅慮といった古典的な実験を、MRIで脳の動き方から追試して検証した研究を紹介しているのもとても面白かったです。
集団で議論すると、認知が歪められ、自分が何を正しいと考えるかの判断が変わってしまう。
なんでもディスカッションで考えず、個人で考える時間を作る方が創造的になると著者は主張しています。
興味深かったのは、オンライン上では例外的に、ブレインストーミング的なものが機能するということ。そして内向的な人はオンライン上だと進んで自己開示するということ。
ブレストに関しては内向型に限りませんが、オンラインだと他の刺激に悩まされずにテーマに集中しやすいからかもしれませんね。
■罪悪感をもつのはやめよう
感情移入が強すぎる、まじめすぎる、複雑に考えすぎる。そういうのが内向型の特徴とされています。
(それゆえに世間話的な軽い話題や学校みたいな雑多な状況は苦手とされます。)
そういうのはスタイリッシュじゃないのは自覚しているので社交場に出ないように十分遠慮して生きてきましたけど、こういう考え方のせいで罪悪感を抱きやすいというのは指摘されてなるほどでした。
他人の気軽な言動にも、自分と同じ重い思考回路を投影して想像してしまうので、そんな反応をさせた自分に罪悪感を感じてしまうと。あ、あるかもです。。
■たとえどんな音量で発言しようとも信念は信念
そんな内向的でも人や物事を動かすことはできる。
それは『ソフトパワー』であると。
アイデアと心で伝えること。
■たいせつな場所では外向的にふるまっても傷つかない
内向型でも心から大切に思うことを行うためであれば、たくさんの人と会い、自信があるように振る舞い、強気の発言をし、たくさんの予定をこなすことができます。
そしてそのように振る舞っても内向的な自分を否定することにはなりません。
でも休息を意図的に取ることは必要です。
本書では『コア・パーソナル・プロジェクト』と呼んでいるそのような対象をみつけること。そしてその上でも心身が許容できる刺激量をコントロールすることが、内向型が社会的に心地よく活動するポイントのようです。
■内向型と外向型のカップルのつきあい方
いろいろな行き違いが起こりやすいようです( ´艸`)
ご興味のある方は本書を読まれてください。
ひとつ印象に残ったのは、内向型は自分のことを「まじめでつまらないと思われる」と思いすぎないでください。というアドバイス。
ある実験によると外向型にとって内向型は「親密な話ができる相手」と好ましく思われるのだそうです。
ふぅん。
以上、印象に残ったことを書きだしてみました。
こういうのをさくっと3行で書けないクドさが内向型なのかなと。
内向型の著者による内向型擁護の本なので眉唾で読む部分もなきにしもあらずですが、自分自身の「内向型」の部分は大いに大いに癒されました。
ありがとうございました(^-^)