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『30代のしごと考~組織のワクを越えて、something newを生み出す』開催報告(前編)-研究者という仕事-

2013年12月19日に、

30代のしごと考~組織のワクをこえて、something newをうみだす~

というワークショップを開催しました。

テーマは『研究者のしごとにみる、働き方の未来』です。

http://kokucheese.com/s/event/index/128240/

雪になりそうな雨が降る中、20人余りの方が集まってくださいました。

ご参加くださった方、興味を持ってくださった方、ありがとうございました。

 

 

■「30代」とは何だったか

 

同年代で集まる、という集まりにあえて参加することはこれまでたぶんなかったので新鮮でした。

企画するときにも、あえて30代に絞る意味があるだろうか?厳密にすべきだろうか?と何度か考えましたが、今回はトライアル的にあえて厳密に生物年齢の近い方と集まってみました。

 

年上の方が多い集まりでは、背中を見せてもらえることも多いです。

でも同世代で集まれば、自分たちこそがフロンティアであるという気持ちになります。

 

若い方が多い集まりでは、彼らがまだ直面していないむずかしさを表現しきれなります。

同世代で集まってみたら、そういうものがいくつかありそうだなということに気がつきました。

組織の中での公式・非公式なポジションだったり、選択肢の現実味(増えたり減ったり)だったり、直面する仕事の難易度だったり、例えばそういうことに直面する心持ちです。

 

一方で、世代論でいうと、30代前半と後半は違う世代に分類されることも多いですね。

そうでなくても10年は長いです。いろんな経験をします。

 

 

■「研究者のしごと」はどんなフロンティアだったか

 

研究者といえば、特定の知的領域に魅入られた自由人、というイメージだったりするのかな?と思いますが、お話を伺ってみると、そういう面とそうでない面がありました^^

 

『研究がめでたくまとまって論文となり、それを題材に議論を深めたり批判をされたりという段階になって、それが楽しいときと、あまり楽しくない自分に気がつくときある。楽しくないときは、本当に自分が追いかけたいテーマかどうか?を自分に問う最初の段階でどこか自分をごまかしてしまっていたからかもしれない。』

 

というお話が印象に残っています。また、

 

『誘われるままに研究プロジェクトに参加していれば業績(論文)は増えていく。でも気づいたら自分の軸がないということにもなりかねない。』

 

『時流に乗らず、自分が本質だと思うものを深めていくときは孤独です。でも孤独な時の方がいい論文が書けたりする。』

 

というようなお話も。

 

一般企業に勤めるサラリーマンもひとつの組織にずっと閉じていられるかどうかわからない時代です。

自分をごまかさない仕事で、自分の軸をつくっていけるか。

ときに孤独を大切にしながら、自分らしいテーマを深めていけるか。

組織のワクをこえて、something newをうみだそうとすることは、自律したキャリア、適応力のあるキャリアの核となる姿勢の一つではないかと感じました。

それはある種の覚悟を伴う姿勢だなと思いました。

 

長くなってしまうので、このワークショップで議論された

・組織のワクを越える覚悟とコツ

・something newを生み出す覚悟とコツ

については記事を改めて書くことにします。

 

 

■研究者の「教育者」としての役割

 

研究者には、過去から蓄積された知的財産を、わかりやすく次の世代に伝えるという

重要な役割もあるということが強調されていました。

 むずかしいことを、わかりやすく。

 蓄積されたものを、時代の最先端へ。

今回のテーマ「組織のワクを越えて、something newを生み出す」とは一見直結しないようですが、根っこは同じものと理解した方がいいような気がしています。

 

知的エージェントとして、組織のワクを、世代を越える。

社会をより良くしていく知性というのはそういう面を持っていると思いましたし、そのような社会の一機能となることが、より大きなワクの中で自由に泳ぐということでもあるような気がしたからです。

 

(後編に続く)