いまここノート

いまここの記憶

2018→2019 年越しのナラティブ 長いはなし

2018年はなんだか大変な時期もあったせいか、どんな年だったのか、いまいち統合的なイメージがもてていなくて、なんだかぽっかり穴の空いたような大晦日です。
いったい何をしていたのかなぁ。

ふりかえり仕事篇
仕事面では昨年末に実施した「働き方改革」実態調査の結果を軸にした、ご報告と意見交換の機会が多かったです。
2〜30人参加の報告会を東京で2回北海道と名古屋で各1回、ヤフーさん、サイボウズさん、オカムラさんでのイベント、個別には某省庁さん、某ホテルさん、某外資金融さん、某外資ITさん、某教育企業さんなどなどでの報告会やディスカッションなど。
あわせてオカムラさんのWork In Life Labo 研究プロジェクトでは、さらにいくつかの企業にヒアリングをさせていただきました。

また、春からは研究所の機関誌の編集チームに入り、ワーク・ライフ・エンリッチメントや、1on1など、個人的にも関心のあるテーマについてより深く知る機会になりました。年明けのテーマはオープン・イノベーションを成功させる人と組織です。
編集の仕事はスピード感も緻密さも求められテーマも広くて散らかってしまいそうにもなりますが、新しい問いと学びをチームで得ていく活動は私にとってこれまで得難かった何よりの経験で、感謝し通しです。
かたわらに自分の研究テーマがあるおかげで広い学びの還元先があることにも救われています。

調査研究それ自体の機会や得られたデータを介して、問いの重みづけや対話の糸口をつくるところまでは少し経験ができたような気がします。また、問いが広げてくれるご縁に感謝することの多い一年でした。
でも、まだまだという感覚です。
慌ただしく日々が過ぎて、一つひとつのご縁をもっと大切に味わいたかった気持ちも残っています。
来年はもう一歩の深い対話と問いを求めて、仕事をしていきたいと思います。

ふりかえり研究篇
研究面では学会発表を仕事関連の一つに抑えて、論文投稿に集中しました。でも集中したというほどには時間を割ききれなくて、書けば書くほど、投稿すればするほど自分の至らなさと向き合う日々が続きました。こんなにしんどいことはないですが、がんばります。
しんどさがリアリティを増す過程で、やっと少しずつ関心や問いが絞られてきたようにも感じています。

社内外でジョブ・クラフティングの研究会をトライアル的に実施できたことも大きな一歩でした。
また別に自社の提供する研修を、研究対象としてフィールドワークさせてもらいました。東日本大震災津波の被害にあわれた地域も訪ねました。とても勉強になりましたし、意外だったのは関係者のみなさんに思いのほか喜んでいただけたことでした。

社外で得た視点や学びを、社内で試すのはとてもこわいです。まさにナレッジブローカーというか、バウンダリースパナーというか、そういう気持ちです。勇気を出した自分をほめたいです。が、収穫にむけてもう一歩詰めたいです。

社内でブルーナーを読み、その後、社外の方とガーゲンを読むナラティブ研究会に混ぜていただけたのも大変ありがたい機会でした。
数年前に学び始めたころは、社会構成主義やナラティブ・アプローチがこんなに実務家の方に広く学ばれるようになるとは思ってもいませんでした。
でも確かに実用的です。よりよい関係性や社会づくりの役に立ちます。もっと理論的実践的に理解を深めて体に馴染ませていきたいと思います。

また年明けすぐには、ほんとうにありがたい越境研究会の機会を頂戴しています。問いを深め、研究を前に進めるよい機会にできるようにがんばりたいです。

未来篇・実践篇
青森と某外資IT企業さまでは、未来と実践に近いと感じられる仕事・研究をさせていただきました。
青森県では、一昨年度までの研究アウトプットを下敷きにして、プロボノ普及のお役に立つ機会をいただきました。
また某外資IT企業さまの社会貢献プログラムでは、足掛け3年の調査をもとに、より裏づけと思いをもってご提案ができるようになってきました。

これまでの調査研究を通じて、社会貢献というか、自分たちが生きることを直接・間接に支えているコミュニティに直に参加して関わる機会を増やすことができたら、いろんないいことが鮮やかな彩りで生まれると感じています。
社会をよくする活動のために自分を活かすことが、人をよりよく生かし、つながりや自信を生みだす物語をいくつも見聞きしてきました。

そうした意味での社会貢献への参加経験を増やすこと、それらが生みだす仕事上の豊かな彩りを増やすこと、を研究を通じて社会に生み出したい変化として置いてみて、活動してみたいと思います。

このようなターゲットの置き方は、仕事面でのウェイトを占める「働き方改革」にも通ずると考えています。
働き方改革」の先には、事業に価値を生み出すこと、そのために仕事を主体的に進める喜びとあたたかいつながりを増やすことを目指したいです。
社会貢献研究は、そのメカニズムを解明することに役立つ調査や研究になるはずです。

ふりかえり 私生活篇
Work In Life なので、仕事は人生の一部、仕事の話ばかりで一喜一憂してはいけません。

春から10年ぶりに、月一ペースでバイオリンのレッスンを再開しました。めちゃくちゃスローペースで基礎からやり直しています。
アマオケ活動は昨年の第九に続き、今年も幻想交響曲という大曲の演奏会に乗ることができました。練習も合宿も割と参加できました!

釣り竿を買いました。入門用の手頃なものですが、自分で選んだはじめての道具です。趣味に育てていけるか、たのしみです。

高校時代の友人が、大学の講義に呼んでくれました。働き続けている子持ち女性というだけで、学生さんにめずらしがられたり、希望を持たれたり。正直なところ、まだまだそんな空気を若者に感じさせてるんだなぁと落胆しました。
親世代の価値観や働き方が何かの巡り合わせでちょうど古いのか?ちょっとしたミステリーでした。

そういう一年だったのか
こうして振り返ってみる前の大晦日は、漠然とした虚しい一年と感じていたのですが、年が明けて振り返りをし終えた今は、割にいろいろと活動して地道に挫折と拡がりを経験した、とくべつに良い年だったように思えてきました。

いまここを生きる日々ですが、たまには過去を振り返り未来を展望するのもよいですね。
過去、いまここ、未来へと続く物語。自分に語りかけ、意味と価値を思い知らせ、明日を紡ぐナラティブ。
長いはなしにお付き合いくださりありがとうございました。
今年も良い年になりますように。