積ん読解消月間(19)『ソウル・オブ・マネー』
人類最大の秘密の扉を開く ソウル・オブ・マネー 世界をまるっきり変えてしまう<<お金とあなたとの関係>
- 作者: リン・トゥイスト,牧野内大史
- 出版社/メーカー: ヒカルランド
- 発売日: 2013/05/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
社会問題の解決のために資金を集めるファンドレイザーとして活躍する著者が、お金を重視し過ぎることをやめたときに変わる世界について書いた本。
「お金」と「コミットメント」の順番を間違えないように。
「コミットメント」のためにお金や自分のもつものを使うとき、人は自分の本当の人生を生きることができる。
それはほしい未来に投資することであり、納得できないシステムに加担しないことである。
そんなメッセージだったと思います。
3種類の読み方があるかなと思いました。
・寄付や援助を受け取る側の人が、誰かの「荷卸し」先にされて傷つかないために。
・慈善活動をする人が、それが弱者への施しではなく、自らの自由のための行為であることを説明する言葉を得るために。
・流される生き方をやめ、自分自身の人生を生きたいと望むすべての人が、行動や在り方を変えるきっかけを掴むために。
ほんとうは、どんな人にとっても機能する社会、を誰もが望んでいる。
他人事として横に置きたくない問題がある。
・お金や資源は充分にはない、欠乏している
・そしてたくさんあるほどよい
・何事にも「それは、そうなっている」から仕方ない、変えられないと考える
この3つの考え方を改め、すべては「充足している」と考えることで、ほんとうは横に置きたくない問題に自分ごととして取り組めるようになる。そうすると突然に豊かな人生を生きることになる。
うまく説明できないけれど、たぶん、その通りなんです。
それが言い当てられていることへの感動、同時に自分にはできないと思う気持ち、その両方のために泣けました。
たぶん私自身の問題は、「弱者にならない」ことに気を張りすぎていることなんだなと思いました。
施されることによってポジティブなセルフイメージを持てなくなることの怖さ。
わたしがこういう気持ちをもっているのは女性だからなんでしょうか?それとも男性であれ、いまの日本ではこうした気持ちをもつひとが多いのでしょうか?
本で紹介されているバングラデシュの変容に、そこから抜け出すヒントがあると思いました。
自分たちを「救済が必要な人間」ではなく、「パートナーシップにおける仲間」とみなすようになったこと。
援助を求めるのではなく、自分たち自身の持っている価値を生かすパートナーシップを望むこと。
転換点、出発点は、自分たちは充足している。価値あるものをもった存在である。と信じること。
そのことによって自信をもって、だれかの自由をたすけるパートナーとして行動をとれるようになれば、自分の価値への信頼の好循環を生み出せるかもしれません。
むずかしいのは、始めの一歩?
それとも、個人がもつ価値の低さを全力で突きつけてくる社会のシステムに、抗いつづけることができるかどうか…?